オークションに隠されたブラインドコスト(その2)
私の節約術「セツヤクエスト」
皆さんはオークションを利用するときに
どのようなコストが発生すると思うだろうか。
意識するのは
商品代と送料と銀行振込などの決済手数料
ぐらいだろう。
実は最も意識しなければいけない部分が抜けている。
それはあなたの人件費だ。
ここまでは前回書いたことだ、
では今回書くのはなんだろうか。
それは相手の人件費だ。
リサイクルショップとオークション
この違いはなんだろうか?
リサイクルショップとは動作確認をして保証を付与する行為だ。
それにはもちろん、検品コストと保証によるリスクの移転が行われ
コストに跳ね返ってくる。
そのコストはどこで捻出されるのだろうか。
もちろん販売価格だ。
では、市場価格に合わせて
検品コストと保証によるリスクの移転のコストを出す為にはどうすべきか。
そう、仕入れ価格で調整される。
つまり、買い取り値段+コスト+(利益)となる。
結果としてリサイクルショップでの買取価格は抑えられることで、
より購入時の費用を回収したい個人は
オークションで直接、個人が出品することになる。
NEXUS7(2012)で考えてみよう。
8GB 5000円 http://goo.gl/Dsynpz
16GB 7000円 http://goo.gl/eYAVMz
32GB10000円 http://goo.gl/Xpnr2x
が買取上限価格となっており、
販売価格は
16GB 15800円
32GB 17800円~19800円
と、およそ販売価格の5割、
しかも最も良い条件での話である。
実際には3割~4割だろう。
「NEXUS7 2012」|ヤフオクなどのオークション情報が満載
http://aucfan.com/search1/q-NEXUS7.a1.a12012/s-mix/
落札金額を見てみると
ソフマップの販売価格の一割引き程度となっており、
ソフマップの買取価格の
およそ2倍の価格で落札されていることになる。
ソフマップの粗利益は
16GB 15800円-7000円 =8800円
32GB 19800円-10000円 =9800円
となり、ここから人件費などのコストが引かれて利益になる。
もし個人が直接オークションで売ったとしたら
16GBの落札価格が14000円として7000円の差額となる。
7000円の得る為に掛かるコストをどう考えるか。
もちろんオークション自体の手数料が掛かるとして
売れて入金されるまでの時間による機会損失
出品、発送にかかる労働時間だ。
ヤフーオークションの落札手数料が14000円の5%で900円
写真を取って説明文を入れるのに15分、1分あたり20円計算で300円
落札後のやりとりと入金確認で10分、1分あたり20円計算で200円
梱包と伝票記入、発送までで10分、1分あたり20円計算で200円
合計1600円+(ヤフープレミアム会員費用月399円)
スムーズに行ったとしてコストは1500円程度掛かるはずである。
買取上限額との差異は5500円まで縮まることになる。
オークションの場合、
およそ粗利が1000円超えないと利益にならないのがわかるだろう。
これはあくまで一品のみで試算であること、
自身の人件費や誰かに頼んだ場合の人件費を考慮に入れての話であるが、
本来であればこういうことも頭の中に入れて置かなければならない。
そのサービスを受けるに
どれだけの費用が掛かるかは
自分がやることを他人に任せたらどれだけのコストが掛かるかで
算出されなければならないからだ。
それがもし、他人に任せた場合の人件費を含まないのであれば、
サービス残業や長時間拘束を良しとして
人生の不当廉売を推進するブラック企業に手を貸していることにほかならない。
安いものが買えるからそれでいいんだ。という人は
その人が精神病や体調を崩すことで発生する損失や
社会保険への負担を無視している事になる。
それによる不利益は一時の安さよりももっと不利益なものだ。
それは自分の利益のために社会基盤を危うくする行為であり、
フリーライダーというべきであろう。
三方良し 売り手よし 買い手よし 世間よし
は近江商人の価値観を表す言葉として昭和頃から知られるようになったが
売り手の利益 買い手の利益 社会の利益
と言い変えるとわかりやすい。
買い手もそれを買うことで生まれる経済の流れを意識して、
この購入という行動は社会を動かす投票行動なのだと意識することが求められる。
前回
オークションに隠されたブラインドコスト(その1)