10万円の看板は安いか、高いか。
見積りの根拠出してくれっていったら、金くれって言われたよ
http://anond.hatelabo.jp/20131003212934
を見て思ったこと。
あ~、この話はあの件に似てるな。
私の知り合いの広告業の話。
仕事を取ってくるには
おおよそ3通りあって
広告代理店(営業活動と保証を担当)経由か
同業者経由
自社で営業活動する
とあるわけです。
-代理店経由では
資料(仕様書)を提供されます。
材料から支給のケースも多く、
こういう作業だからこれくらい掛かるという事も
過去の取引で双方わかっているので
トラブルにはなりにくいです。
(特殊な内容の場合に通常工程で計算して
安くすることを要求する人もいるみたいですが)
ただ、
年に2~3回ある仕事で
全て支給でトラックを動かして人員が二人、
取り付け撤去(つまり2日拘束)で3万円、
この条件で儲けてください
と代理店に言われたケースもあったようです。
粗利だけでも
3万円÷2人÷2日だと7500円、
更にトラック代、燃料代を差し引くと
ギリギリかマイナスですよね?
そのような条件でも
仕事を取ってくるのは加工場の賃料や
トラックなど既に投資した設備に維持費が掛かるのと
従業員に給料を払わないと行けないからです。
また、
屋外広告などは一度つけたら10年は同じ件で仕事が発生せず、
その上、保証まで求められるので、
経費を除いた個人所得が100万円以下と
貧困状態にありました。
とある広告代理店の場合は
コンペーティションがあるから見積もりしてくれと
いう事が合計10数件あり、
一件も取れなかったケースもあったそうです。
(決まれば仕事あげるから、見積もりはタダね。)
その際に自社でこなせない規模の作業は
他社に委託しなければならないので
何件も見積もりをお願いした所、
あなたからの見積もりは
仕事が取れないから見積もりはしません、
仕事が決まってから
見積もりを依頼してくださいと言われたとか。
それでも広告代理店の仕事を切れないのは
継続的に仕事が決まるからだそうです。
-同業者経由
双方がどれだけの内容になるかわかる上、
コスト意識も共有できているので
一番いい条件で仕事を受けることが出来る。
同業者単体では出来ない作業内容だから
仕事が回ってくるので仕事の件数は少ない。
ただし、
中には同業者から営業代理店(大企業化・ゼネコン化)に実質的に移行して
個人事業主に最低労働賃金程度で作業だけやらせて
ピンハネしている会社もあるのだとか。
(イ○ンなどの仕事を受注してるといってました。)
-自社で営業活動をする
これが一番割に合わないとのこと。
個人の方から仕事が来る場合には良いのですが
自分からする場合、数百件に1件決まればいいと話でした。
個人の場合は
大量生産のモノを基準に考えるので
人件費や長期耐久の業務用材料のコスト高いと
感じてしまうようです。
(ア○ヒペンのペンキは一年で剥がれる、
業務用の長期耐久性のものは10年持つと
ベテラン塗装業の方は言っていました。)
また、
id:cmsbzさん
まだ契約してすらない業者を無一文で働かせる会社って多いよね。デザイン案だけあげさせてパクった上で他の業者に頼むとかフツーにあるから。そりゃそういうクソ会社に業者は自分らの武器出したくないの当たり前。
といったケースもあったと言ってました。
-看板のようなオーダーメイドの使用の場合
大前提として
現場調査・見積もり・打ち合わせで2日、
(製造には規模によって1~2日)
施工で1日掛かるので
多くの仕事はこなすことが出来ません。
もちろん作業内容がわかるレベルの人でないといけないので
人件費も必要以上に下げることはできないのです。
それで施工分だけの日給計算の手間労働で
計算されたのでは事業の継続ができないと嘆いていました。
そのような零細企業が
日本にはたくさんあるのです。
次
貧乏人はこれを食え。(実践編)
http://bobcoffee.hatenadiary.com/entry/2013/10/04/124046
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関連
見積もりと設計の間の高い高い壁 - novtan別館
http://d.hatena.ne.jp/NOV1975/20131004/p1
ドカタでもマシな考え持ってるよ