東京駅100週年Suicaで一番儲かるのはソニー?という話
風が吹いて桶屋が儲かるといえば
一見関係がない事が影響を及ぼすという例えだが
今回の件に関しては明確に損をしているといえる所は今のところ見当たらない。
JR東日本は預かり2000円
内カード返却時のデポジット500円、
1500円分がチャージされた状態となる。
この中でカードの返却は記念カードなので考えなくていいだろう。
すると500円はJR東日本側に残ることになる。
Suicaカードの値段は他のフェリカカード(Edy.WAON.nanaco)が300円なので
500円-300円で一枚あたり200円が残る。
では残りの1500円分のチャージはどうだろうか。
チャージはコンビニなどでも使われるが
大半は電車利用料として使われていることがわかっている。
「Suica」「Edy」の普及状況と、「Suica」「Edy」を利用した商品購入実態 マークスJP自主調査
http://www.markth.jp/omni/8omni/0509omni06.htm
JR以外での利用経験がある割合が35%で
その35%はJRと商品購入の併用と回答されているので
間を取って20%がJR東日本以外に流れると考えてみよう。
1,500円の20%で300円
1200円がJRに、300円が他社サービス利用と言うことになる。
JR東日本の営業利益率はおよそ15%なので
1200円×15%=180円が営業利益と考えると
カード代金の残金200円+180円で380円残るから
そこから発送費を一枚あたり500円と考えると
一枚辺りマイナス120円という見方もできるが
JRは営業形態上、固定の設備の上で成り立ってるわけだから
利用者が増えたとしてもコストに直結するわけではない。
問題があるとすれば今までの需要が
このSuicaに含まれるチャージ分で置換されることで起きる
需要先食いリスクぐらいなものだ。
それに死蔵される分のチャージ分や
消費されるまでの預り金の運用などを考えると
赤字どころか最終的に黒字になる可能性すらあるだろう。
さて今回の騒動で
JR東日本がそれほど痛手を被ってないと考えても
関係差の中でどこが一番儲かるだろうか。
Suicaのカード製造会社か
カードを届ける運送業者ということになるだろう。
ソニーケミカル&インフォメーションデバイス一社のみ
TBS「がっちりマンデー!!」
http://www.tbs.co.jp/gacchiri/archives/20071028/4.html
であったが
ソニーケミカル&インフォメーションデバイスは
2012年にソニーグループを離れている。
デクセリアルズ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%BA
現在はソニーイーエムシーエスの木更津サイトに移管されている。
事業縮小撤回させて/宮城・登米市長に ソニー労組仙台支部
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-20/2013082003_01_1.html
事業所一覧・アクセス/ソニーイーエムシーエス株式会社
http://www.sonyemcs.co.jp/company/access.html
そして今回の発送は簡易書留で送ると表明しているので
日本郵便が独占することになるので
全体で見ると
JR東日本が業務に支障を来した程度で
収支については最終的に回収は可能なレベルで
特需としては
Suicaカード製造でソニーイーエムシーエス
配達で日本郵便
499万件を発送を行う発送手続きの代行業者
あたりにお金が流れるという事になるだろう。
ではこの中でどこが一番儲かるかと考えると
簡易書留を扱う日本郵便だと思われる。
国内の料金表(オプションサービス) - 日本郵便
http://www.post.japanpost.jp/fee/simulator/kokunai/option.html
書留の割引制度 - 日本郵便
http://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/kakitome/discount.html
簡易郵便は310円 割引で-31円
簡易書留代279円が日本郵便に入るとなれば
これが一番利益が大きいはずだ。
Suicaにばかり気を取られて儲かるのはソニーと思いがちだが
実は日本郵便が一番恩恵を受けると思われる。
利用者も欲しいものが買えて
JR東日本もさほど赤字を出さずに済み
製造業者や配送業者が儲かるのであれば
うまく経済が回って良かったということで
結果としていい話になったのではないだろうか。