日テレ月曜から夜ふかしでずんだシェイクに触れられてたから「ずんだ」についての話。
先週の月曜日に日本テレビ系列で放送されていた
「月曜から夜ふかし」の中で埼玉県のニュースをお届けするコーナーがあり、
新幹線が止まったから大宮で降りましたという宮城の少年の話から
仙台駅のずんだシェイクはうまいという話になったので
今回はずんだの話をしたいと思います。
ずんだは枝豆を潰して砂糖を加えたもの、
お彼岸の時期にお供えされたりもするほどなので
あんこもちと同じくらい宮城県ではポピュラーなものです。
ずんだ餅がお彼岸に使われるのは
ずんだに使われる枝豆は大豆の未成熟な状態なので
ちょうど大豆の収穫時期が10月からと
その未成熟な状態である枝豆が収穫できる期間と
9月の秋分の日を挟んだ3日間のお彼岸とは
時期的に合うということが理由でしょう。
農林水産省/大豆の栽培方法
http://www.maff.go.jp/j/kids/crops/soybean/cultivation01.html
「ずんだ」という言葉は
豆を打つ、豆打(ずだ)から来ているという説が一番広まっていますが
それがずんだの由来かどうかはわからないとのことです。
ずんだの普及地域は伊達家の影響が及んだ地域と重複している場合が多く、
山形宮城福島と岩手南部などに広く分布しています。
伊達氏 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E9%81%94%E6%B0%8F
ずんだ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%9A%E3%82%93%E3%81%A0
地域によっては複数の呼称が存在するが、概ね以下のように名称が分布している。
「ずんだ」「づんだ」:旧仙台藩領域である岩手県南部・宮城県・福島県新地町のほか、奥羽山脈を挟んで岩手県南部と隣接する秋田県横手盆地。
「じんだ」:会津地方を除く福島県、秋田県南地方、山形県庄内地方など。
「じんだん」:山形県置賜地方など。
「ヌタ」「豆ヌタ」:山形県村山地方・福島県会津地方など。
最近では、旧仙台藩領域での呼称「ずんだ」が仙台経済圏での訴求力によりデファクトスタンダード化し、旧仙台藩領域以外でも枝豆ペーストを利用したものは「ずんだ」と呼ばれる傾向が見られる。
ずんだを用いた伝統的な郷土料理
ずんだの和え物
山形ではアケビの果皮と和えるずんだ汁
「呉汁」(水にうるかした大豆をすり潰して味噌汁に入れたもの)のこと。北海道・道南地方や岩手県ではこれを「ずんだ汁」と言う。この場合の「ずんだ汁」は茶色をしている。呉汁の製法において、大豆の代わりに枝豆をすり潰して入れたものは「枝豆呉汁」「青呉汁」あるいは「ずんだ汁」と言う。この場合の「ずんだ汁」は緑色をしている。
-北海道にはなぜ、ずんだ餅が広まらなかったのか?
北海道の開拓には戊辰戦争で敗れ土地を追われた仙台藩士が
新たな土地を求めて移住しています。
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北 海 道 の 開 拓 と 移 住
http://www16.ocn.ne.jp/~ymr-0130/rekisi-izyu.html
〔主な士族の移住一覧〕
(移住開始年) (藩、県) (移住地・現市町村)
仙台藩士(伊達将一郎の家臣) 札幌郡(札幌市豊平区)
明治11年 旧名古屋藩士(徳川慶勝の家臣) 山越郡八雲村(八雲町)
明治15年 旧山口藩士(毛利元徳の家臣) 余市郡大江村(仁木町)
明治17年 旧加賀藩士(前田利嗣の家臣) 岩内郡前田村(共和町)※「起業社」
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しろいしキッズ★(札幌市白石区こどもサイト)-白石区の歴史探検-白石区誕生のヒミツ
http://www.city.sapporo.jp/ncms/shiroishi/shiro-kids/history/anime.html
元々は白石村から札幌市と合併したのち
区制に代わる時に白石区になったという歴史があります。
ということはずんだもちの文化が
北海道に広まっても良さそうですが現実には広まっていません。
これはなぜなのでしょうか?
推測するに
大豆は長期保存が可能な備蓄食料であることから
枝豆の状態で頻繁に食べられるほど食料が豊富ではなかった
現在、大豆産地になっている北海道東部で
大豆が生産されるまでに移民の第一世代が亡くなってしまい
ずんだ餅をつくるという行為が継承されなかった
*明治4年=西暦1871年
北海道における大豆栽培の歴史(2013加筆) - 豆の育種のマメな話
http://blog.goo.ne.jp/taktsuchiya/e/3e278fcd2fedcc9ce06889bafd1d6c62
北海道における大豆栽培は,主産地が形成された1907年頃から約50年間6~8万haの作付面積で推移した
北海道に合うもち米の品種改良が遅れた
このあたりは考えられそうです。
そこらへんはいももちが北海道で広まった事に繋がっているかもしれません。
いももち - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%84%E3%82%82%E3%82%82%E3%81%A1
北海道のいももち
北海道では、「いももち(いも餅)」。別名「いもだんご(いも団子)」とも呼ばれる。明確な区切りは無いが、焼いたもの(味付けしたもの)を「もち」。汁に入ったもの(味付けしていないもの)を「だんご」とも呼ばれる。
皮をむいて火を通した(茹で・蒸す)ジャガイモを潰し、これにジャガイモ澱粉、又は片栗粉を加えてよく練り上げ、小さな丸餅や団子状に整形し、餅と同様に焦げ目が付くまで焼きあげる。甘辛く味付けした醤油やバター・砂糖などを付けて食する。
歴史
当時、稲作(もち米)生産技術が未発達であり、豊富に生産されたジャガイモ・カボチャを「餅」の代用品として作られたことが始まりである。
現在、「冷凍いももち」の生産により、北海道の手軽なファストフードとして、土産物屋の店先や高速道路のサービスエリアの売店でも見かけることができる。いももちの粉も市販されており、カボチャ味などのバリエーションもある。また、子供にも人気のおやつでもある。また、居酒屋のメニューになることもある。
北海道の郷土料理|農山漁村の郷土料理百選
http://www.rdpc.or.jp/kyoudoryouri100/ryouri/01.html
いももち
北海道の名産品といえば「じゃがいも」。じゃがいもは北海道の開拓当初から主食として食べられていたものです。このじゃがいもを使った「いももち」は戦争中や食糧難の時代に主食やおやつとしてよく食べられていました。
前出のWikipediaのずんだの項によると
北海道でずんだ汁はあるようなので
大豆から作れるずんだの文化は地域的に残り、
もち米が必要なずんだもちにはならなかったということなのでしょう。