#WiMAX というか無線に過剰な期待はやめましょう。技術編
前回の記事
#WiMAX というか無線に過剰な期待はやめましょう。収益編 - 貧乏人は麦を食え。年収200万円時代を生きる方法。-bobcoffeeの麦食指南
http://bobcoffee.0012.org/entry/2015/07/07/161504
は伸び悩んでいた所を
id:xevraさんに触れていただいたことで
多くの人に見ていただく事が出来ました。
ありがとうございます。
-
今回も無線の問題点について触れていきたいと思います。
ドコモなどの広告で最大○○○Mbps!と書かれた広告がありますが
その会社が使用している電波の全てを
「一人」で利用したという状況にならないと
その速度は出ないわけです。
つまり半径数百メートルから数キロメートルの範囲内で
同時に使用している人が居ないという
かなりの稀な話だということは頭に入れておくべきでしょう。
UQのWimax2+最大値である220Mbpsを
均等に利用者数で割れると考えると
220Mbps/1人=220Mbps
220Mbps/5人=44Mbps
220Mbps/10人=22Mbps
220Mbps/20人=11Mbps
220Mbps/50人=4.4Mbps
220Mbps/100人=2.2Mbps
となる。
つまり、この理論上の最大速度は
利用者としてはあまり意味は無いということです。
もちろん
最大速度があがるということが
3G(FOMA)から4G(Xi・LTE)に世代が変わり
周波数あたりの効率を高めることにを意味するのであれば
同じ割り当て周波数でも効率が良くなり
多くのデータを送れる事になるので
速度の向上や通信の安定性を高めることに貢献します。
例えば
今回問題になったUQWiMAXの場合は
合計50MHzの周波数を割り当てられていますが
今までは
Wimax 30MHz 40Mbps
Wimax2+ 20MHz 110Mbps
だったものが
2015年9月末までに
Wimax 10MHz 13.3Mbps
Wimax2+ 40MHz 220Mbps
と切り替わっていく事になります。
下り最大220Mbps対応機器と対応エリアについて|UQ WiMAX|超高速モバイルインターネットWiMAX2+
http://www.uqwimax.jp/signup/pop/220mbps/
10MHzあたりの効率で考えた場合
Wimax 13.3Mbps
Wimax2+ 55Mbps
となるため、
Wimax→Wimax2+で4.13倍効率が良くなるということですね。
なぜ効率が良くなったのに無制限をやめるのかについては
経営的に苦しいことやライバル他社の使い放題も軒並み速度が出ないので
競争に負けない範囲で速度を落としながら
事業の継続性と利用者の利便性を考慮した上で
規制後速度を1Mbps程度にする事に落ち着いたのだと思います。
キャリア各社の周波数帯について
移動体通信事業者に割り当てられた周波数については触れましたが
それぞれの割り振られている周波数について見てみましょう。
キャリア6社の周波数帯運用状況と2014年以降の追加割当状況を整理|モバイルビジネス通信
http://www.mca-mbiz.jp/news/2014/04/mobile-basement-focus-3.html
国内通信事業を統合したソフトバンク、その思惑は?|木暮祐一のぶらり携帯散歩道 | POSTCO Lab.
http://blog.postco.jp/archives/10606
ドコモ
700MHz帯 20MHz
800MHz帯 30MHz
1.5GHz帯 30MHz
1.7GHz帯 40MHz
2.1GHz帯 40MHz
3.5GHz帯 40MHz
合計 200MHz
au
700MHz帯 20MHz
800MHz帯 30MHz
1.5GHz帯 20MHz
2.1GHz帯 40MHz
3.5GHz帯 40MHz
合計 150MHz
UQコミュニケーション(大株主にau)
2.5GHz帯 50MHz
合計 50MHz
au+UQ
合計 200MHz
ソフトバンク
-ソフトバンクモバイル
900MHz帯 30MHz
1.5GHz帯 20MHz
2.1GHz帯 40MHz
3.5GHz帯 40MHz
合計 130MHz
-ワイモバイル
700MHz帯 20MHz
1.7GHz帯 40MHz
合計 60MHz
-旧Willcom(PHS分)
1.9GHz帯 31.2MHz
-WCP(AXGP)
2.5GHz帯 30MHz
ソフトバンクグループ
合計 251.2MHz
(今後使用可能になる分も含む)
その他資料
第709回:LTEバンド とは - ケータイ Watch
http://k-tai.impress.co.jp/docs/column/keyword/20150526_703689.html
電波の特性としては
-周波数が低い
遠くまで届く代わりに送れる情報量が少ない。
-周波数が高い
送れる情報量が多い
性質が光に近づき直進性が増すので
遮蔽物がある場所で電波が届きにくい
=多くの基地局が必要
基地局が多くなればコストが大きくなりますが
都市部など利用者数が多い地域では
ひとつの基地局で抱える利用者が減るので速度が出やすくなる。
UQWimaxの場合は
割り当てられている周波帯域は2.5GHz帯しかありません。
本来なら利用者の密度が少なく所はひとつの基地局で
広範囲をサポートして基地局を減らすために
800MHz帯使いたいところですが割り振られていないので
UQは地方では他社に比べて不利でエリアが狭いということになります。
(その為にauLTE対応モデルがあるわけですね。)
キャリアの速度とMVNOの速度について
前回の記事でも触れましたがコストと速度には関係があります。
ドコモのMVNOへの卸値が
10Mbpsあたり(月額)
docomo 945,059円
これを1GBに慣らした場合は
1GBあたり291.6円となります。
#WiMAX というか無線に過剰な期待はやめましょう。収益編 - 貧乏人は麦を食え。年収200万円時代を生きる方法。-bobcoffeeの麦食指南
http://bobcoffee.0012.org/entry/2015/07/07/161504
10Mbpsあたり(月額)
docomo 945,059円
ということを考えると
いかに消費者に安く提供されているかがわかります。
10Mbpsを常に使いきって30日分と考えると
月間3.24TBが通信可能となります。
3.24TB=3240GBなので
1GBあたり291.684876543円となりますが、
これはあくまで全ての時間を均一に使いきった場合ですので
日中深夜の変動や基地局への同時接続数など複合的な要素があり
単純に1GBあたり291円だから
月間10GB使われても3000円で
業者はボロ儲けという話ではありません。
UQWimax ツープラス ギガ放題
3日で3GB=月間で最大28~31GB 4380円
=30日と考えて1GB単価は146円
=NTTドコモのMVNO卸値の半額
NTTドコモ シェアパック30
(30GB)22,500円
=22500/30GB
=1GB単価は750円
ドコモのMVNOへの卸値
1GB単価 291.6円
これをサービスごとの規制前速度でみると
UQ Wimax2+ 20~3Mbps
ドコモ 30~10Mbps
MVNO 3Mbps~1Mbps
程度となります。
MVNO(格安SIM)はコスト的にかなり無理をしているので
長期間に渡って安定的に速度が出る環境というのは
非常に望みづらい状況にあります。
(3GBで900円のプランなど余力が無いため混雑時は低速度化しやすい。)
一方でかなりの価格差がありますから
MVNOは速度は抑え目でも価格を抑えたい人には
非常に良い選択肢といえるでしょう。
-MVNO各社の速度について
MVNO格安SIM,実効速度比較 6月編 NifMoが品質の高さを示し始める | スマホ辞典
http://smaho-dictionary.net/2015/06/mvno-speed-review4/