なぜ人は金のためにヤバイことになりかねない海外のビタミン剤を薦めたがるのか。
最近、疲れやすい人におすすめ!遂に見つけた最強の総合ビタミン剤! - アメリカ読書生活
http://kbooks.hatenablog.com/entry/2016/05/08/093106
について。
何が問題かというと
各ビタミンや成分の含有量が書かれていないこと。
また、国内と海外の許容量の違いに触れていないのか。
Now Foods, ADAM、優れた男性用マルチ、180ソフトジェル - iHerb.com
http://jp.iherb.com/Now-Foods-ADAM-Superior-Men-s-Multi-180-Softgels/23364
成分についてはこちらに書かれていましたが
ビタミンAだけみても1日10000IUとなっており
日本人が摂っていいビタミンAの上限を超えている。
ビタミンA - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3A
一日の所要量[編集]
0〜1歳: 1,000 〜 1,300 IU
1〜5歳: 1,000 〜 1,500 IU
6〜8歳: 1,200 IU
9〜14歳: 1,500 IU
成人男子: 2,000 IU
成人女子: 1,800 IU
授乳婦: 3,200 IU
許容上限摂取量: 成人で5,000 IU
100,000 IU 以上の摂取では過剰障害を起こすことがある。
なお、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(1995年11月23日発行)の報告では、妊娠前後でビタミンA所要量は増加せず、非妊娠時でも妊娠期でも、成人女性の所要量は1,800 IU とされる。そのため、他の栄養素と異なりビタミンAの所要量は増加しないので、妊婦では過剰摂取に特に留意が必要だ、という見解もある。
日本の厚生労働省では妊婦のビタミンA摂取量は、上限許容量が5000 IUとされている。但し、ビタミンAが含まれている食品は意外と多く、トータルで見ると摂取過剰になると予想される。ビタミンAは1日10000 IU以上を連日摂取してしまうと奇形発生が増加すると考えられる報告がある。妊娠12週までにビタミンAを連日15000 IU以上摂取すると、水頭症や口蓋裂等、胎児奇形発生の危険度がビタミンA摂取量5000 IU未満の妊婦に比して、3.5倍高くなると報告されている。一方で欠乏した場合は未分化性の胎児奇形(単眼症など)のリスクが生じる。近代以前の日本では肉食文化が乏しくビタミンA欠乏が頻繁に見られる現象であったとも考えられており[4][5]、ビタミンA過剰が過剰分化性の奇形(先述の口蓋裂等)を誘発することとは対照的な問題である。ただし、ビタミンAの過剰摂取による催奇形性の報告は、主にサプリメント由来のビタミンA(レチノイン酸)であり、動物性由来のビタミンA(レチノール)は20000 IU以上摂取しても問題がなかったと言う報告もある。
海外のビタミン剤は1日の必要量ではなく上限を摂らせる
メガビタミン的な考え方のものが多いので
海外のビタミン剤については基本的にオススメできない。
成分の一部のみでも見てもこんな感じなので
海外で売られているビタミン・ミネラル類は
しっかりとした知識を持っている人以外は買わないほうがいい。
特に脂溶性ビタミンやミネラルに関しては
このようなビタミン剤で取ると
1日の許容量を超えてしまうケースがあるので
普段の食事からどの栄養が足りないのかを知った上で
ビタミン剤を取ることをオススメする。
健康のためにと摂ったビタミン剤で
体を悪くしては意味が無い。
ビタミン・ミネラルは必ず必要なものであるが
摂り過ぎても害を与えるものだということを認識しておくべきだろう。
もし買うなら日本製か日本で正式に売られている
ナイアシン15mg、パントテン酸9.2mg、ビオチン45μg、β-カロテン〈ビタミンA効力1,500IU〉5400μg、ビタミンB1 2.2mg、ビタミンB2 2.4mg、ビタミンB6 3.2mg、ビタミンB12 6μg、ビタミンC 100mg、ビタミンD〈200IU〉5μg、ビタミンE(d-α-トコフェロール)10mg、葉酸200μg、ビタミンP 20mg
ビタミンBミックス 1日2粒総重量(=内容量)400mgあたりナイアシン40mg、葉酸200μg、ビオチン50μg、ビタミンB12 20μg、パントテン酸40mg、ビタミンB1 40mg、ビタミンB2 30mg、ビタミンB6 30mg、イノシトール50mg
のような製品の方がいいだろう。
それでもビタミンAを多く含むレバーを摂ったら
マルチビタミンは2~3日摂らない、
ビタミン添加済みのコンフレークやシリアルを摂った日は
マルチビタミンを摂らない
といった工夫は必要になる。
大切なのは今、自分に何が足りていて
何が足りていないかという知識と認識なのだ。
元記事で第三者の中立機関が調査と言ってますが
基本的にモンドセレクションみたいなもので
書かれた内容量通りか、質はどうかという話であって
容量がアメリカの上限基準(ULS)内であるかについて
審査しているわけではないでしょう。
そもそもの許容量の概念が違うという話で
何年間何十年間摂った時の影響を考慮してるかというと
非常に疑問があるわけです。
ですから、普段の食生活でビタミンが足りない人は
少なくとも日本人に合った基準を用いて
ビタミン剤で補うのは上限ではなく
必要量か少し足りないぐらいまでとして
残りは食事で摂るとちょうどいいと思います。
1日の推奨量と上限についてはこちらをどうぞ。
ビタミン | 日本人の食事摂取基準(2015年版)より | 栄養成分ナビ
http://www.glico.co.jp/navi/e07-2.html
ミネラル | 日本人の食事摂取基準(2015年版)より | 栄養成分ナビ
http://www.glico.co.jp/navi/e07-3.html
No.007 ビタミン・ミネラルの安全な摂取量について :アンチエイジングトピックス:アンチエイジング | 田中消化器科クリニック
http://www.tanaka-cl.or.jp/anti-aging/topics/topics07/index.html
「海外の」ビタミン剤に手を出すべきでない幾つかの理由。 - 深淵
http://abyss.hatenablog.jp/entry/2016/05/09/161147
より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
私が書いたものより詳しく書かれています。
関連
貧乏人はマルチビタミンを摂れ、ただし摂取量には注意すること。-これで10年以上続いた不調が収まった。
http://bobcoffee.0012.org/entry/2015/01/11/211103
嫌なことを思い出すのはまだいい、それで長く落ち込んだり引きずる人はビタミンB群が不足してるかも。
http://bobcoffee.0012.org/entry/2015/02/25/165205