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著作権って30年あれば十分じゃないの?

正確には著作財産権って30年あれば十分じゃないの?という話です。

 

ISILの件の方に注目を奪われてあまり話題になってないっぽいですが

TPPで著作権保護の期間を70年にしようという話になっているようです。

 

 

著作権保護は原則70年で調整へ TPP NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150203/k10015166261000.html

著作権保護期間が70年になることによる影響について(栗原潔) - 個人 - Yahoo!ニュース
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kuriharakiyoshi/20150203-00042767/

 

個人的にはこれ以上著作権の保護期間を伸ばすことは反対で

むしろ現在より縮めた方が社会としての利益は大きいのではないかと思っています。

 

一つの案として

著作人格権 生前まで

著作財産権 発表から30年は自動的に保護した上で登録と更新による無期限の延長

 

このようにすることで著作権の保有者を明確しすることで

著作権者の利益を保護しながら孤児作品を減らすことができます。

 

発表後30年であれば作品を覚えている人が存在し

著作物の現物を保護することがギリギリ可能であろうと思うからです。

 

書籍に使われている洋紙は寿命が100年と言われていますが

例えば何十年も前の雑誌をどれだけの人が保存しているでしょうか?

 

市場に大量に供給されるものでも

30年も経てば殆どのものが処分されるなど世の中から消えるでしょう。

 

現実的に保存可能である期間でないと

利益にならない著作物の保護を

極小数の個人的な行動に押し付ける事になります。

 

例えば

アーケードビデオゲーム保存についての現状 - Togetterまとめ
http://togetter.com/li/772703

の件を見ても

個人と保護活動に共感する一企業の倉庫の無償貸出という

非常に危うい状況で行われています。

 

アーケードゲームについては

何十年も経てばメンテナンスをしていた人たちも会社を辞めているでしょうから

メンテナンスの技術の伝承も課題になってくるはずで

 

インベーダーゲームでさえ1978年、

同時期やそれより古い可動部分があるエレメカなどは部品すらないでしょう。

今から37年前の話ですから著作物を保存することが

如何に困難かがわかると思います。

 

ソフトとハードは一対なのでどちらもないと

再生・可動が不可能になり事実上失われることになりかねません。

 

ハードに関しては日本国内の意匠・特許権が20年で切れることから

ファミコン互換機のように市場の要求があれば

再生出来る環境が生まれる事になります。

 

ところが

例えばNECのパソコンには漢字ROMやBIOSなどが含まれていますが

これらはハードウェアとアプリケーションを繋ぐ基礎部分のソフトなので

ハードを動かす上で確実に必要となる

ソフトウェアの著作権は切れていないということになる。

 

例に出したNECは今も存在している企業ですし

もし万が一のことがあったとしてもそれらの権利を買う企業が現れるでしょう。

 

問題なのはマイナーなメーカーが出したパソコンやゲームなどで

もはやメーカーが倒産・解散して存在していない、

権利者もわからないという状況に陥ってしまって

どうすることもできないまま

動作環境が失われるということが考えられます。

 

対処法としては

文化庁著作権使用料相当の供託することで

法的には問題がない形は取れなくはないですが

 

コンピューターやゲームの類での申請は

複数の企業に権利がまたがるので

現状で積極的に使われたという話は聞いたことがありません。

 

参考

文化庁 | 著作権 | 各種手続き | 著作権者不明等の場合の裁定制度http://www.bunka.go.jp/Chosakuken/c-l/index.html

権利の所在が不明な著作物 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%A9%E5%88%A9%E3%81%AE%E6%89%80%E5%9C%A8%E3%81%8C%E4%B8%8D%E6%98%8E%E3%81%AA%E8%91%97%E4%BD%9C%E7%89%A9

著作権者等不明の場合の裁定制度 ~孤児作品は侵害しながら使う?使わない?それとも…。 鈴木里佳
http://www.kottolaw.com/column_110830_2.html

 

 

今回書いたように

著作人格権 生前まで

著作財産権 発表から30年は自動的に保護した上で登録と更新による無期限の延長

にする事は現実的には難しいと思いますが

 

せめて個人や企業が利益を求めずに

著作物を保存することに足枷を掛けるような法律は

止めるべきだと思います。

 

現状だと個人の私的複製も不自由にし

企業には複製を認めないという形になっているので

 

これではテレビなどで許諾されてない映像や音楽が使用された場合

企業の著作権が侵害された時に証拠が残りませんから

自己防衛をすることが不可能になるなど

非常にアンバランスな関係になっています。

 

最低限フェアユースは認められるべきであると思いますし

その方が社会としての利益は大きいでしょう。

 

フェアユース - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A2%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%82%B9

 

最後にフリーカルチャー運動と

ローレンス・レッシグ教授の公演を紹介して終わりにしたいと思います。

 

フリーカルチャー運動 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E9%81%8B%E5%8B%95

 


<free culture> Lawrence Lessig 日本語字幕版 - YouTube